結局傘は出さずに結構な勢いで走る。
道の手前に見えた小さな公園。
その公園をもうちょっと進んだ所が私の家。
走るスピードを上げた。
公園を横目に走り抜けようとした。
って……
公園の市場奥にあるブランコにある人が見えた。
私も馬鹿だと思う。
公園に入って行ってしまった。
まだ降り出したばかりだからその子はあまり濡れてなかった。
「ねえ、傘ないの?」
うなだれて顔はよく見えなかったけど間違いなく覚えていた…
「あ…。春樹先輩の…」
その子は思い出したように力なく笑った。
不思議な子。
なんか吸い寄せられる。