「で、結局好きと言わずに裏庭から戻って来ちゃったのね」



そう言って空遥はため息をついて、あたしを見た。



そう、あたしは裕ちゃんを抱きしめてから我に戻り、恥ずかしくなって裏庭から逃げるように教室に出てきてしまった。



だって、だって、だって!



裕ちゃんはキョトンとした顔を見たらなんか恥ずかしくなっちゃったんだもん。



言い訳しかならないのかは分かってるけどさぁぁぁ!



はぁ。



「だってぇ!」



あたしがそう言うと、空遥はあたしの顔を睨みつけるように見てきて、



「誰かに取られてもいいの!?」



うぅっ。