「おはようございます」
挨拶をしながら職員室の中に入る。
自分の席に着くと、すぐに隣の席の人に話しかけられた。
「高瀬せーんせ!」
「……何だよ」
「聞いたよ~。
聞いた、聞いた!」
俺の隣に座るコイツ。
同期の三倉駿―ミクラ シュン―
「高瀬先生って六年前にバスケ部がインターハイに行った時のスタメンだったんでしょ?
しかも部長!」
「……………………」
「あれ?違った?」
「いや……あってるけど。
……え、何?お前、それ最近知ったの?」
「昨日。バスケ部の監督から聞いた」
……それ知らなかったの、ここにいる教師の中でお前だけだと思うぞ。
青桜がインターハイに行ったのは俺の代が最後。
それから六年、今年も含めて予選止まりにある。
「じゃあ、これは?」
「これ?」
「高瀬先生がマネージャーだった女の子とイチャつきまくってたって話」
なっ………!!
コイツ、どこでそんな話を……。