もしかして、一生迷い続けて死んじゃうのかな……。

少し気弱になっていたところに、鼓動を大きくさせる気配を感じた。

何の前触れもなく、心臓がドクドクとうるさいくらいに音を立てる。

それが、どういう感情に基づいてのものなのかすらわからない。

ただ、どうしてもその気配のほうへ行かなくてはいけないという思いにだけは駆られる。

だから、足は自然とその気配がするほうへと向かっていた。

私から向かって一番左手の道へと足を踏み込む。

だけど、それこそ灯り一つない真っ暗闇が続いており、怖気づく。

入り口付近を見渡すと、どうやらこの広場には等間隔で蝋燭を灯すための穴が穿たれており、そこには明かりの灯っていない蝋燭が刺さった燭台も一緒に置かれていた。

今この空間を照らしているのは、四本の蝋燭のみ。

使用されていない燭台の一つを手に取り、炎を纏っている蝋燭から火をもらう。