どうやら、私は同じ場所をぐるぐると回っているようだ。

その間見つけたのは、いくつか並ぶ木の扉のついた部屋だけ。

一つ一つノックをしてから開けてみるが、私がいる部屋よりもかなり規模は小さいが、それでも簡易的なベッドやテーブルなどが備えられている。

おそらく、ツチグモ一族の人たちが生活している場所なんだろう。

いくら好き勝手歩いてもいいという了承を得ているからといって、勝手に人の部屋を覗くのは気が引ける。

かといって、それ以外の部屋らしいものが見当たらないのは解せない。

だいたい、最初に私たちが連れて行かれてスサノオに会った部屋にすら行き着けないのはおかしい。

私って、そんなに方向音痴なのかな?と思いつつ、その考えにどっと疲れを感じてその場にしゃがみこんでしまった。

そして、気が付いた。

地面が揺れている。

歩いているときは気づかない程度の揺れだけど、こうやってしゃがみこんでみるとその揺れは止ることがなく常に続いているようだった。