そして、次の日。

再び朝食の準備と共にカグヤさんが顔を出してくれた。

「今日も行くの?」

カグヤさんの顔を見れば、もう反対はしていないのがわかる。

ただ、心配そうな表情を浮かべてはいるけど。

「はい。まずは、真人君を探してみます」

「そう。頑張ってね」

「はい」

今日はそれだけ言葉を交わすと、ありがたくご飯をいただき早速捜索を開始した。


とにかく、昨日のように迷わないことが第一だ。

だから、ヘンデルとグレーテルではないがカグヤさんから最初に差し入れしてもらったパンを懐に忍ばせて、要所要所でちょっとずつ千切っては目印として置いていった。

ちょっともったいないけど……。

迷路のようにうねうねと続く岩壁に沿って、慎重に歩を進めていくが、しばらく歩くと見覚えのある場所に出て、パンの欠片を確認することでそれは間違いじゃないことがわかった。