「あなたって、結構頑固なのね。さっき私はああ言ったけど、あなたなら……。あなたならもしかしたら真人のことを救えるのかも」

「どういうことですか?」

「それは、真人に会えばわかると思う。ただ、どうやら真人、居場所を移されたみたいでどこにいるかを教えてあげることが出来なくなっちゃったんだけどね」

少し寂しそうにも悔しそうにも見える不思議な笑みを浮かべた。

「大丈夫です!私、自分でどうにか探してみますから!」

「そう、ありがとう。ハルカさん」

「はい」

「真人のことよろしくね」

「はい!」

「じゃあ、私はもう行くわね」

何かが吹っ切れたような笑顔を私に見せて、カグヤさんが背中を向けた。

「はい。ご飯とっても美味しかったです」

カグヤさんは軽く振り返ると、可笑しそうに笑いながら手を振って、そのまま出て行った。

そしてその夜、スサノオが部屋に顔を出すことがなく、私は久しぶりにゆっくりと眠ることが出来た。