一人の人物を引き連れて。

「真人……?」

見た目は全くといっていいほど真人と同じ外見をしていた。

だけど、違うのはその中身。

穏やかに微笑みながら目の前で佇む人物からは、玄武以外の気配は感じられない。

「ヒリュウ、違うよ。マヒトの姿が気に入ってたみたいだからそのまんまだけど、玄武だよ」

軽く頭が混乱している。

確かに、玄武の気配以外は感じられないが、そうなると真人はどうなったということなのだろうか?

「ホムラ、飛龍様が混乱しておられるみたいだぞ。もう少し説明してさしあげなければ」

「えー、だってボクだって細かいことはわからないもん。ということで、自分で説明してよ」

玄武はホムラの言葉を受けて小さく頷くと、真人と同じ声で話しだした。

「我は玄武。以前呼ばれていた名はクロキ。マヒトという人間の身に封印されていたが、強い浄化の力によって昨夜解放された」