「アキが言ってた。あの泉には行きたいと願えば行くことができたって」

「それだけでいいのか?」

「うん、でもね。たぶん、それだけじゃダメなんだと思う」

「どういうことだ?」

「アキは自分が持っている強いカムナキの力を嫌ってた」

「カムナキの力?」

そういえば、昨日もそんな言葉が出てきていた気がする。

「うーん、なんてーのかなー。あぁ、そうそう」

左手の掌をポンと右手で叩いて、ひらめいたとでも言うように言葉を続けた。

「何かのマンガで読んだ、ちょーのーりょくみたいなもん?」

「は?」

これには、俺の横にいたアオも呆れたようにため息を吐いて補足してくれた。

「飛龍様には、陰陽術を操る力がございますね。ようは、それのもう少し強力な力とでも申しましょうか……」