「あぁ、そうだ。何か他に質問はあるか?」

全員に向けて問うように、一度それぞれの顔を見て回った。

真人は、肩を竦めて首を横に振っている。

ホムラは、ニコニコしながら「ないよー」とだけ返してきた。

シロはというと、うっすらと金色の瞳をあけてからすぐにまた目を閉じてしまった。

おそらく、特に何もないということだろう。

もちろん、父さんに至ってはその質問こそ不要なものだ。

だったら、後は明後日までそれぞれの思うように行動してもらえればいい。

その旨を伝えると、一同は了承の意を表し部屋を出て行った。

部屋の中に一人残されると、何か言い忘れたことや、やり残したことがあるような気がして落ち着かなくなってくる。

コンコン――

ノックの音が響き、ついで入室の許可を求める声が聞こえた。

「リュウ君、ちょっといいかな?」