青龍・白虎・朱雀・玄武そして中臣家の守護する黄龍が揃い五行が完成する。

そのための布陣でもある。元々五行はこの五神とも言うべきもので構成されている。

東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武そして中央に黄龍。

中臣家は古来より黄龍の役割を担ってきていた。人でありながら神となったものとして。

本来、中臣家というのは四神と同類、いや彼らを統べる上位のものとして存在してきていた。

だから、四神だけではなく中臣家という存在もなければこの結界は成功しない。

四方から集められた各神獣の力を吸収してさらなる力を得ることで、より強大な結界がはれるというものだ。

「じゃ、当日することはそんだけ?」

不意に掛けられた言葉に反射的に窓のほうを向いた。

サングラスの隙間から色素の薄い瞳を覗かせながら真人がこちらを見ていた。