慌てる私とは対照的にホムラは手を口に持っていき人差し指を立てると「しーっ」と言いながらニコリと微笑んだ。

何となく小声になりながら「大丈夫なの?」と尋ねれば「寝てるだけだよ」と答えが返ってきた。

近くによって見れば、確かにかわいらしい寝息が二つ聞こえた。

「今の、何だったの?」

相変わらずの小声でホムラに問う。

「夢見だよ」

一言だけ返された答えに戸惑ってしまう。

だって、何度か夢見と言う言葉を聞いてはいたがまさか起きているときにそんな状態になるなんて思ってもみなかった。夢見っていうくらいだから、やっぱり寝ているときに夢でなんかお告げ見たいのを見るのかなぐらいに思ってたんだけど……。

「ハルカ」

混乱する頭にホムラの落ち着いた声が響いた。

ホムラを見やれば、これまた落ち着いた笑みを浮かべて私を見ている。