二人の間に、何か特別なものがある気がしていたけど、まさかそこまでは頭が回っていなかった。

だけど、ありうる話に思える。

二人が並べばなんて絵になるんだろう。

そんなことすら思ってしまう。

どんどん頭の中では考えたくもないことがリアルを伴った妄想として膨らんでいく。

「リュウお兄ちゃまと」

「アヤお姉ちゃまは」

「「許婚なのよ」」

私の妄想をまるで補足するかのように紗和ちゃんと紗来ちゃんの言葉が続いた。

許婚か。

この中臣家を見ていればそんな時代がかった話も頷ける。

妙に納得してしまって、それと同時に深い後悔が胸を過ぎった。

聞きたくなかった……。

どこまでも、暗い淵に落ちていってしまいそうだ。