ホムラは、そちらに顔を向けるとニコニコしながら手招きした。

「サナ、サキ。こっちにおいで」

二人は、一瞬お互いの顔を見やるとすぐに小走りにホムラの横に来て、左右に分かれて座った。

そういえば、この間も紗和ちゃん紗来ちゃんはホムラにくっついてたな、なんてことをぼんやりと思い出した。

ホムラは、両手で二人の頭をナデナデしながらも視線だけはこちらに向けて私の反応を窺っていた。

何かを期待しているかのようなその顔に、私は応えることができない。

だって、本当に何にも思いつかないもの。

思わず頭を抱え込みそうになったとき、かわいらしい声が響いた。

「ハルカは」

「リュウお兄ちゃまが」

「「好きなの?」」

何の前触れもない問いかけに思考回路は完全に機能停止した。