ソファに腰掛けながら、ホムラはそれまでの会話とは全く関係ないことを尋ねてきた。

でも、そう聞かれてしまえば私は言葉に詰まるしかない。

あの時、リュウと紗綾さんが夏休みに二人でどこかに行ってしまうということを聞いてから、そのことばかりが頭の中を巡ってはっきり言って他のことは全くといっていいほど入ってきていなかった。

そんな自分が恥ずかしくなって俯くと、ホムラはかわいらしい笑い声をたてた。

「アハハハ。ハルカってばやっぱり聞いてなかったんだ」

あまりにもあっけらかんとした笑い声に顔を上げれば、ホムラはその声通り明るい笑顔を見せていた。

良くわからないけど、なんとなくホッとして私も微笑む。

「仕方ないなー。じゃあ、もう一度説明してあげようか？」

見た目は私よりもずいぶん年下に見えるのに、今目の前にいるホムラは私なんかよりもよっぽど大人っぽく見える。

そんなホムラの雰囲気に私は素直に頷いていた。