「でも安心したよ。
佐倉さんて言ったかな、お前の飼い主。
あの人は絶対に、大樹を裏切る事はないと思う…
きっと佐倉さんが、大樹を元の明るい大樹に戻すだろう。
俺も大樹の意識が戻ったらまた来るよ。
許してくれるまで、何度でも…」
祐司は立ち上がり、俺の方を向いてフッと笑顔を作った。
「じゃあな。
またいつか会おう!!」
何か…
これじゃまるで、俺の方が悪者じゃないか。
謝れば許されるのか?
何をしても、謝れば許されるのか?
そんな訳ないだろ…
でも――
もし祐司が心底俺に謝罪するのなら、それを許さない俺は何てちっぽけな人間なんだろう。
許さない事は罪なのか?
俺は病院の敷地内から表通りに向かう祐司の背中を見ながら,、様々な事が頭の中を交錯してよく分からなくなっていた。
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