祐司はギュッと拳を握り締めた…


「多分…
いや間違いなく、俺はずっと大樹に嫉妬していたんだ。

人望がある明るい人柄と、何をやっても俺よりも上手くて…
いつも一緒にいる俺は常に比較され、嫌な思いもした。

だから正直、智香が言い寄ってきた時、少し優越感に浸ったんだ。

大樹の彼女を奪う事で、大樹よりも上の立場になれたと錯覚したんだ。


馬鹿だよな俺…

そんなつまらない事の為に、大樹の信頼を裏切って。

親友として、いや人としてやってはいけない事をしてしまった…」



祐司…

祐司もあれからずっと、俺を裏切ってしまった事への自責の念を背負ってきたんだな。

俺もいつも一緒にいた祐司に甘えて、祐司がどんな思いでいるのか考えた事もなかった。


ごめんな…



――…い、いや。
だからといって、許される事ではない。

許される…事では――


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