「なぁお前…
彼女の飼ってる犬なら、そのうち大樹と会う事があるだろう。
その時に、俺の気持ちを代わりに伝えてくれないか?
って無理だよな。
ははは!!」
俺は祐司の袖口に噛み付いて、顔を見上げた。
一体祐司が何を考えているのか、知りたかったのだ。
「な、何だよ。
本当に伝えてくれるってのか?」
「わん、わん!!」
(聞いてやるから、早く話せよ!!)
祐司はジッと俺を見詰めた後、ボソリと呟いて話しを始めた。
「なんかお前…
雰囲気が大樹に似てるよな?
――…犬だから、そんな事はないか。
本当に、あの時の事は後悔しているんだ。
馬鹿な事をしたと、今でも毎日の様に思い出す…
あの時の俺は、どうかしていたんだ。
なぜあんな事をしてしまったんだろう…」
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