実際には30分位しか経っていないと思うが、随分長い時間に感じた。
俺が繋がれていた場所が日陰だったにも関わらず、陽が照りつけてきた。
さすがに、毛皮を着た状態で直射日光はかなり厳しい…
「ほら、日陰に移してやるからな。それと水」
突然声がして、俺を繋いでいた柱からリードを外すと、日陰になっている反対側の柱に移動させてくれた。
祐司!!
一瞬怒鳴ってやろうと思ったが、俺の外見は犬だし一応助けてくれた訳だから、文句を言うのも筋違いだ。
俺は愛想を振り撒く事もせず、祐司が持ってきた水を複雑な心境で飲んだ。
すると祐司が俺の頭をスッと撫で、横に座った。
「お前は、大樹の彼女んところの犬だよな?」
祐司は犬である俺を相手に、話し始めた…
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