もう忘れかけていたが、この声は――
「あの…
大樹と知り合いなんですか?」
「はい――…
いや、知り合いというか、親友だった…
と言った方が良いかもしれないな」
祐司――!!
今更何をしに、こんな所まで来たんだ!!
俺は振り返って、背後に立っていた男の顔を見上げた。
「親友だったとは、どういう意味なんですか?」
「いや…
高校生の時に、今の腐った奴と同じ様な事をしたんですよ。
俺が大樹を裏切ったせいで、アイツは誰も信じられなくなってしまって…」
「そうなんですか…」
「だから、あの時の様な思いは二度とさせたくないんです。
大樹は周囲に気配りが出来て、誰からも好かれる奴でした…
それなのに…
それなのに俺が――」
祐司…?
.