「やめとけ!!
相手が嫌がってるじゃないか!!」

突然俺の背後から、男性の大きい声がした。


「何だお前!!
関係ない奴が口出ししてくるなよ!!」

慎一も負けずに言い返すが、既に悪党の負け惜しみの様に感じられた。


「関係ない?
そうでもないんだよ…

みっともない真似をせずに、とっとと消えろ。
でないとマジでブチキレるぞ!!」


「く、くそ!!
佐倉、俺は諦めないからな…」

慎一は背を向けると、慌てて俺達の前から姿を消した。


「あ、ありがとうございました。
本当に助かりました」

カナが、俺の頭上に向かって頭を下げた。

「いや、良いんですよ。

大樹っていう名前が聞こえたもので、放っておけなくて…」



は…?


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