そう言って笑うカナに、慎一が更に聞き返す――
「一生このままかも知れないんだぞ?
待つだけ無駄かも知れないんだぞ?
佐倉お前、大樹の為に自分の人生を台無しにするつもりなのか!!」
「うん。
私はそう決めたの…」
カナは慎一の言葉に容易くそう答えると、フフっと笑った。
カナお前――…
「そうか…」
慎一は俯き気味にポツリと呟くと、カナの方を向き少しトーンを落とした声で話始めた。
「実は…
今日俺が来たのは、大樹に決別する為なんだ。大樹に別れを告げに来たんだよ。
大樹は二度と目覚める事はない…
大樹に気兼ねする事なんて、全くないんだよ!!」
「竹中君?
一体何を言ってるの…
大樹と竹中君は親友なんでしょ?
それなのに、ただ事故に遭ったというだけで、見捨てるの?」
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