「おはよう、ダイ!!
今日は大学休みだから、大樹の病院に一緒に行こうね。
歩くと少し距離があるけど、20分くらいだから散歩にもなるしね」
ベッドに眠っている方の俺に、会いに行くのか?
何か奇妙な感じがする。
でも、自分自身がどんな状態なのかも気になるし、行ってはみたい…
カナはテレビ台の前に置いてある黒いテーブルに、コーヒーとトーストを置き、もう一度キッチンに俺の牛乳を取りに行った。
「私が悲しい顔をしていたら、大樹が心配しちゃうから…」
そう呟くと、トーストにかじりついた。
そして午前11時過ぎ――
「面会時間11時からだから、そろそろ行こうか?」
準備を終えたカナが、俺の方に歩いて来た。
よく見ると、しっかり化粧をして、身なりも小綺麗に整っている…
意識がない俺に会う為に、こんなに綺麗にして行くのか?
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