薄暗い部屋の中で、時々俺の名前を呼ぶカナの寝息を聞きながら、吐き気と闘う。


自分を認めようとする行為は、自分を否定する事によく似ている。

自分を否定したくなくて、脳と身体が拒否反応を起こしている…


自覚がなくても、自分は自分を美化し、正当化しているものだ。

それを客観的に考えるという事は、現実的に自分を分析するという事であり、当然自己中心的に創造した自分を壊さなければならないのだ。



これ程までに不快な思いをするという事は、自分が想像していたよりも遥かに強く自分勝手な世界を作り上げていたに違いない。



自問自答を続け、自分自身の愚かさを認める事が出来るまで、頭痛を我慢しながら問い続けた――


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