しかし――
どうしても10段目で崩れてしまい、それ以上積めない。
その様子を見ていた他の園児が、勝手に手伝いに来た。
「放っておいてくれよ」
俺は手伝おうとする他の園児を制止すると、再び1人で積み始めた。
やはり10段目で崩れ、崩れたツミキをまた拾い集める…
その時、俺の目に飛び込んできたのは、もう1人のツミキが12段になっている場面だった。
そしてそのツミキの周りには、他の園児達の姿があった…
1人より2人、2人より3人。当たり前の事だが、大勢の知恵を集めた方が、より高く積める。
大勢いた方が、正面からだけではなく、様々な角度からバランスを確認したり修正したりする事ができるんだ。
1人で残された俺は、遠目にその光景を眺めながら、再び1人で積み始めた。
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