嫉妬?
あの兄が、俺に嫉妬していたというのか?
「いつも俺は、両親や近所の人達にアイツと比較され、ずっと苦い思いをしてきた。
いくら努力しても追い付けず…
持って生まれたものが違うというのか、全ての事に関してセンスが違うんだろうな。
でも、その事を認めたくなかったんだ。
勝ちたい勝ちたいと思う心が自分の弟に対する気持ちを歪ませ、アイツに不幸が起きた時に、ここぞとばかりに蹴落とした。
たった1人の弟を、本当なら救いの手を差し伸べるべき俺が、引導を渡してしまった!!」
兄は拳をギュと強く握ると、その拳を小刻みに震わせた。
覗き込んだ瞳には、後悔の思いが色濃く滲んでいた…
後悔…しているのか。
でも後悔したからといって、俺の過去は戻ってきやしない!!
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