俺も幼い頃、よく悪戯をして怒られた。
父親が買ったばかりのカメラを玩具代わりにして壊したり、母親のメイク道具で化粧をしたり…
兄のラジコン飛行機を勝手に借りて、川に落としたり。
俺はその度に、いつも許してもらってきた。
何だよ…
これだと、まるで俺が悪者みたいじゃないか。
俺は悪くない…
俺は被害者なんだ!!
老犬の言葉が脳裏を過る…
(まずは認める事じゃ)
俺にはもう分からなくなった。
過ちと悲しみと、猜疑心と憎しみと…
ただ――
このままではいけないという事だけは、少しずつ思い始めた…
答えはまだない。
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