(ワシは正直驚いた。

大人を連れて来た男の子を見て、更に驚いた。


ワシに噛まれ、泣いて帰った男の子が…
しかも、ワシに石を投げ付けたあの男の子が、手当てを受けているワシを見て笑っているではないか!!

しかも、一通り手当てが済むと、今度は食べ物を持って来た。



ワシは、何が何だか分からなくなった。

それまで敵だと思っていた人間が、実際に敵だった人間が、ワシを助けようとしている…



それから3日間は、さすがに今までの事があり人間に触られる事は唸り声を上げて拒んだ。

しかし…
傷が癒えてきた4日目、毎日食べ物を持って来る男の子に頭を撫でられる事を許した――



男の子はワシの頭を嬉しそうに撫でながら、優しい笑顔を浮かべていた。


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