「美紅!!」

後ろから、聞き覚えのある声が。


振り返ると、翔が走って駆け寄ってきた。



「まじ・・ど・・したの。」


翔は息をきらして私に問いかけた。



「・・ちょっと用事思い出しただけだよ。」


「嘘つき。俺と話した瞬間態度おかしくなったし。」


「そんなことない。」


私はうつむいて否定する。


なんでこんなに顔が熱いんだろう。



「美紅。」


「なに?」


「俺のこと、好きなの?」




ドクン


ほらまた。


ドクンドクン


激しく動きだす。


ドクンドクンドクン


これは、恋をしたときの心臓の動き方。



ゆっくりと、翔の顔を見る。



いつからだろう。


翔が男らしくなったのは
翔のことが気になってきたのは


そうだ___助けてくれたあのときからだ。