早速キーケースを開けてみると、ずらりと鍵が三段に並んでいて、屋上の鍵は一番下の段、右端にかかっていた。

鳴海はその鍵を取り外すと「あっ」と声を上げた。

「ど、どうしたの?」

「…鍵のダミー忘れた…」

「そういえば…」

二人は背中にタラリと、冷や汗が流れるのを感じた…

やはり急ごしらえの計画とは、穴だらけなものだ。

「今日は止める?」

千歳は時計を見た。残り後10分弱だ…

「…いや、ちょっと待ってて…この鍵のタグ外しててもらえる?」

「いいけど…」

「じゃ」

と言って鳴海は、急いで職員室を出て行ってしまった。

千歳はポツンと、一人残された。いつ先生が戻って来るかと思うと、気が気じゃない…

「ちょっと鳴海君〜早く戻って来てよね〜」

口の中で呟きながら、タグを外すと大人しく鳴海を待った。

ヒマつぶしにキョロキョロと職員室を見渡していると、印刷室と書かれた扉がある事に気づいた。