「大当りー」

二人は静かにパチパチと拍手して、自分達の読みが当たっていた事を褒めたたえた。

「見事がら空きだねー、危機管理がなってないねー♪」

千歳は楽しげに、社会科室の窓から職員室を眺めた。

体育館の方では、すでに朝礼がはじまっている…

「どれぐらい時間あると思う?」

鳴海が時計を見ながら聞いた。

「うーん、15分かな…で、どうする?」

「善は急げ…でしょ」

「やっぱり?」

二人はニヤリと笑い合うと、早速行動を開始した。

まずはじめに、自分達の荷物を社会科室の棚に押し込んで隠した。

一時間目は、ちょうどこの教室で授業になっている…それまでに事が済んでいれば、上出来だ。



誰もいない職員室を、二人は静かにキーケースの方へと歩いて行った。

「やっぱり鍵が、かかってるね」

「えーと確か…あ、あった」

鳴海は平松先生の机の、妙な置物を持ち上げると、キーケースの鍵を見つけた。