〜鍵〜その2

「あ、鳴海君おはよう」

下駄箱の前で鳴海を見つけた千歳は、声をかけた。

「ああ、おはよう…」

鳴海は千歳に気づくと、ゆっくりと顔を上げて挨拶を返した。

「…もしかして、朝弱い?」

鳴海は、いつもに増して無表情だ…

「あ…うん、そうかもね…」

コクリと小さく、うなずく…

「それは、それは…」

千歳は面白ろがって見た後、話題を変えた。

「ところで今日、朝礼だったよね?」

「…あれ、そうだったっけ…」

ボンヤリと、鳴海は答える…

「うん…でね、今ふと思ったんだけど、朝礼の時って職員室どうなるのかなー」

「…あー!そうだ、それがあったじゃん…ねぇ」

「目、覚めた?」

千歳は、ニッと笑った。

「八割方…んじゃ、行ってみようか」

「へ?どこへ?」

「社会科室」