「おそい!!」


 幸兄が仁王立ちで私の前に立ちふさがる。顔は鬼の形相だ。



 「ごめんっ!!ごめん、ごめん、ごめんっ!!」



 「お前なー、絶対忘れてただろう!!」



 「まぁ、まぁ。さゆきちゃんも誤ってるし、ね?幸助許してあげたら?」



 裕兄が言うと、幸兄は仕方ねえなという顔をした。裕兄がいてくれて本当に良かった。いなかったら、帰り道は、どんより説教コースだった。