なんとか8時に間に合って、無事に日直の仕事も一段落ついた昼休み。


 
 「聞いて!!聞いて!!今日、青木君からね、あいさつしてくれたの。」


 
弁当の包みを開きながら、嬉しそうに片思い中の青木君の事を話すのは、友達の柳 美咲。私も、相槌を打ちながらお弁当を開く。毎日、青木君の事を話してるから、はじめのうちはしっかり聞いていたものの、このごろは聞き流すことの方が多い。

 

美咲と出会ったのは、中二の時。同じクラスになって、意気投合してすぐに友達になった。その頃から、青木君に片思いしていた。中三のクラスも一緒になって、進路も一緒で苦しかった受験勉強も一緒に乗り越えた仲。だから、美咲になら、何だって話せるし、彼女も何だって話してくれる。


 
 「さゆき、聞いてる!!」