「さゆき、今から時間ある?」


 未来の真剣な顔を見て、何の話かだいたい予想がついた。

 私は彼女の顔を見ながららこくりとうなずいた。それから、お互い一言も交わすことなく、一階の階段下にある小さな空間まできた。

 
 階段下には、私と未来意外に、麻紀、千鶴、皐がいた。






「何か、された?」



 未来が静かな声で、私に聞いた。




 「弓道着が泥だらけになってた。」





  私の応えに静かに、うなずいた。