くるりと向きをかえて、私の手首をつかんだまま教室を出ていく。

 手首をギュッと握られたま、私は黙って教室を出た。そのまま、自分たちの席に戻って、机の上に散らかった鞄の中身を、2人で片づけた。


 

 「今日さ、部活・・・・」

 
 「ないよ。どっかいく?」



 美咲の言葉が終わる前に、自分の言葉を重ねた。部活がないというのは、嘘だ。

 でも、それを言うと彼女は、今の気持ちを一人で溜めこんでしまうから。