廊下には、鞄をもった生徒がたくさんいた。

 隣のクラスに入ると、美咲が戸の付近で、棒立ちになっていた。
 
 目線の先には、青山君と横田さんがいた。そして、青山君の手には、チケットが握られていた。

 両手に力が入った。

 一発殴りたくなたし、何か言ってやりたくなった。歩み出した、私の手首を美咲がつかんだ。
 


「さき、越されちゃったね。」