「・・・あ・・・あ~あっ、ついてないなぁ。」



しばらく、うつむいていた美咲が涙をぬぐいながら顔をあげた。



「美咲・・・。」



「大丈夫、チケットがなくったって、映画に行こうって誘う事は出来るからね。」



 目の周りが真っ赤な顔で、にっこりと笑った。


 隣のクラスがざわついてきはじめた。彼女はジャストタイミングと言って教室を出ていった。


 その背中を見ながら、上手くいきますようにと強く願った。