「いよいよだね、柳 美咲さん。」



 ゆっくりうなずいて、そうだねと言った。

 2人で、どうやって渡すかという話をしたり、渡す練習をしたりしながら教室に帰った。

 

 ホームルームが終わって、後ろの席の美咲に話しかけようと振り返ると、彼女は真っ青な顔で、鞄をひっくり返して、ガサガサと何かを探していた。




 「・・・ない・・・・ない、ない・・・・・・。」