三人黙って家まで帰った。

 私達の間を通っていく風が、すごく冷たく感じた。
 
 家に帰って、自分の部屋にある勉強机の上に、袋を置いた。そして、ベットに仰向けに寝転んだ。

 幸兄は、意地悪で、口が悪くて、憎たらしくて、本当に性格が悪いけど、冗談でも、あんな言葉は絶対言わない。

 視界の隅っこに袋が入る。


 数時間前までは、あんなに渡したいと思っていたのに、今は袋を見たくない、早く忘れてしまいたいとさえ思う。