息が止まりそうになった。

 振り返った、幸兄の目が今まで一度も見たことがないくらい冷たい冷たい目だったから。




「そいつに、あんまかかわるな。」






それだけ言うと、また幸兄は歩き出した。

 固まっている私の頭に、優しく手を載せて裕兄がごめんねと小さな声で言った。


 幸兄の態度は、わからなかったけど、これ以上この話をしてはいけないという事は、わかった。