「昨日のあれも草壁から?」




「・・・うん。」



 幸兄は私のこたえを聞いて、そうかとだけ言って、歩き出してしまった。

 ここでいつもなら裕兄の顔を見るところだけど、今日はそうしたくなかった。どうしても、幸兄に手渡したかったから。

 


「幸兄!!もらってよ!!私、頼まれてるの!!」





 背中に思いっきり声をぶつける。