美咲の顔が見れなくなって、うつむいた。

 好きな人が、復讐の道具のように使われている美咲の気持ちも考えずに、

 ただ横田さんの態度にイライラして、考えなしに言った。

 
 ごめんと小さな声で言うと、美咲は私の頭に手をのせて軽くポンッとたたいた。




「さぁ。お弁当食べるよ、さゆき。」



うつむいたまま、私はこくりとうなずいた。美咲の机の上は、ところどころ濡れていた。