呆気に取られている麻衣など、お構いなしに昭人は店の中へ踏み込む。

「え、ちょっと待ってよー」

高い声をまき散らしながら追いかける麻衣。

「あ、マイせんぱーい!」

その声に誰かが気付いたらしく、どこからか麻衣を呼ぶ声が聞こえてきた。

麻衣は視線をめぐらす。
見つけるなり、昭人の手を引っ張って、店の奥へ進み出した。