「あっくん、起きてー」

耳の奥から聞こえる心地よい声。

「着いたよ!」

現実と交差する夢…

「あっくんってばー」

肩を揺さぶられる感覚

「おーぃ」

…これは夢?

「起きてー」


ん…息が…


口内に入ってくる何かに、口を塞がれている感覚。

それは、口の中で暴れ回る。

ヤバい…オチる。

意識が遠のき始めたその時
口が自由になり、酸素がなだれ込んできた。

「やっと起きたぁ」

「な…」

満足げな表情を浮かべて亜美が横に立っていた。

「あっくん、着いたよ?」

改めてという感じで言う麻衣。
一瞬何の事だか理解できなかった。

昭人は窓から外を見た。懐かしい景気。

ただいま…