それから、目的の駅まで二人とも黙ったままだった。

まるで、6年前のあの時の様。

条件は比べるまでもなく、大きく違うが、空気が酷似している。

「せっかくだから見送ってあげるわ」

亜美はそう言って、電車を降りた後もついてきた。

ますます6年前を思い出す昭人。

苦し紛れに、新幹線待ちのホームから見上げた空は雲一つ無く、むかつくほど晴れていた。