「あっくん、今度はあっち行こうよ」

昭人(あきひと)の腕を引っ張って急かす麻衣(まい)

「はいはい、行くからそんなに引っ張るなよ」


道行く人の流れが、響き渡る人の声が、昭人は鬱陶しくてたまらない。
休日だからって、いくらなんでもこれは多過ぎる。

こんな所を好む麻衣の神経を疑いたくなる。