蘇ってくる麻衣の声に耳を傾ける。

「また、ああやって皆で集まれるといいね」

麻衣は寂しげに遠くを見ながらつぶやいた。こんな麻衣を見るのは初めてのことだった。

茜色に染まる空の下、君と一緒に歩いた道は綺麗な朱に染まっていた。

その朱に誘われてどこからか切なさがやってくる。

切なさは、思考を真っ白に塗りつぶし、二人の間に会話がうまれない。