「まぁそんな事より、よければ一緒にどうです?」

そう言って、空いている席を手で叩いて見せた。

「ん、でも友達の邪魔しちゃ悪いし」

「まぁ、そう堅いこと言わずに」

「でも…」

「どうぞ」

不意に今まで口を閉じていた漆黒の瞳の少女が喋った。
こう言う言葉は決め手になるもので、断れない空気を作り出す。

ポジションとタイミングの違いで言葉は間違いなく凶器になる。

そう実感させる一言だった。