「……分からない」


何て言えばいいの?


目の前で女の子とキスしてるのを見たからとか?


そんなの…言う勇気持てないよ…



「じゃあ…じゃあ今まで通り仲良くしようよ」


「…手、離して」



…雷兎は私のこと特別好きじゃないんでしょ!


私じゃなくても誰にでもキスが出来るんでしょ!


今まで通りなんて…出来ないよ……



「ニャアちゃん……」



雷兎が珍しく落ち込んだ声を出す



……私じゃなくてもいいんでしょ?

そうなんだよね?



「……お願い」


雷兎が握った手に力を込める


…そんなこと言われても



「…私は雷兎と居たくない」


今だって雷兎と会えて凄く凄く嬉しいのに頭に浮かぶのは雷兎と女の子の……



「っ……」


雷兎の手が弱まる


その隙を見計らい私は逃げ出した



「ニャアちゃんっ…!!」


後ろで雷兎が叫んでいる


振り返りたかったけど…振り返らなかった